ベンチトップ型、およびUSB-電源式増幅器が測定現場に貢献すること

Pasternack Enterprises, Inc.(パスタナック社) | mpidigest.com 掲載 | 2015年7月

by Tim Galla 氏、RFアクティブ製品マネージャ、Pasternack Enterprises

図 1: PE15A3595 RF出力は +22 dBm、周波数 1 ~ 40 GHzをカバーする

試作品に電気的刺激を与え、その性能の測定をするツールとして、ベンチトップ型増幅器はもっとも典型的で便利な道具だ。近年にわたり、DC電力や接続性で優位なUSBを活用することで、増幅器の小型化が進んでいる。これにより、単純な測定源でよい場合には、わざわざフル装備で高価な増幅器を用意しなくとも十分な環境となった。 パスタナックよりこのたび、4つのベンチトップ型増幅器、および2つのUSB増幅器がリリースされた。これらは非常に広帯域で、高利得、低ノイズであり、かつ頑丈な構造が特長だ。USB電源供給の増幅器は、同帯域またはそれ以上対応の減衰器、およびスイッチも用意されている。高性能ベンチトップ増幅器は、測定用途において入力信号の性能を維持し、出力を統合させるため、信号の増減があってはならない。この点においてベンチトップ型増幅器はあまり一般的ではない。しかし、性能評価基準が定まっている測定環境においては、必要不可欠なものである。

新製品ベンチトップ型増幅器の型番は、PE15A3500 (1 ~ 20 GHz)、PE15A3501 および PE15A3502 (20 ~ 40 GHz)、そして図1にある、PE15A3595 (1 ~ 40 GHz) だ。これらは多様な利得レベルおよびP1dBを持ち、RF 出力は +10 dBm (PE15A3595 は +22 dBm)。表1に詳しい仕様がまとめられている。これらは、オン・オフスイッチや電源コードといった外部制御インターフェースのみで作動する。PE15A3500 以外は、 2.92mm 入出力コネクタで、PE15A3500 はSMA メスコネクタ付きだ。

図 2: 型番PE15A3595の適用周波数 1 ~ 40 GHzにおける小信号入力対利得。4製品すべてに典型的なパフォーマンスが見られる。

広帯域増幅器は、ほとんどの測定環境において使用できるものであるが、特にPE15A3595は、すべての周波数範囲をカバーするため、マイクロ波無線セルラーバックホール等といったアプリケーションだけでなく、防衛システム構築における試験といったあらゆる用途に適用されうる。図2のプロットは、PE15A3595を1 ~ 40 GHz すべて範囲で小信号入力対利得を示したものであるが、4製品すべてにおいて典型的な性能である。利得変化は、平均利得38.1 dBにおいて+/-1.85 dB 未満だ。PE15A3595 の動作電源は 120-VAC、PE15A3595は 120-VAC または 12-VDC のいずれでも可能。動作温度範囲は、-40°C ~ +85°Cのため、実験室のような安定環境でなくとも動作できる。USBコンポーネントは、サイズの小型化、コスト減に役立ち、また至る所でUSD標準は、5-VDCであればどんな状況でも、ノートパソコンやデスクトップ型パソコン、タブレット端末、壁掛け充電器でも動作するので、測定用途において確実に優位性があり便利である。またこれらUSB増幅器は、わずか2.25 x 0.33 x 1インチと非常にコンパクトで、パスタナックの増幅器・減衰器・スイッチの中でも、その性能を考慮すれば、リーズナブルな価格だ。

こういったデバイスの単純化というのは、その予想を裏切るものだ。なぜならシステム構築、R&D、開発段階において、または生産段階においても、ささやかではあるが効果的な解決に結びつくからである。パスタナックは、減衰器とスイッチには無料のWindowsソフトウェア開発を提供するので、遠隔制御でき、またベンチトップ型機器などを伴う、より大きいATEシステムと組み合わせることが可能だ。 パスタナック社がこれまで受けた顧客からの問い合わせや要望により、その製品を単品としてまたは、限られたスペースで組み立てたり、機能の詰まった重装備な装置の代替として、より低コストに測定する、といった興味深い方法を見出してきた。 パスタナックの USB-電源供給式増幅器 (図 3) は超小型でRF高出力、高特性である。PE15A3900 は 50 MHz ~ 18 GHz、PE15A3901 は 50 MHz ~ 40 GHzをカバーする。両型番とも P1dB RF出力電力は +10 dBm、利得 12 dB (+/-2.5 dB)、雑音指数は 4.5 dBだ。 The PE15A3900は、SMAメスコネクタ、PE15A3901は、2.92-mm コネクタ付き。50Ωに均衡された入出力で、広帯域に渡り最適な性能を維持する。電圧調整器内蔵。

図 3: PE15A3901 USB-電源供給式増幅器、周波数範囲 50 MHz ~ 40 GHz、RF出力 +10 dBm、利得 12 dB、雑音指数 4.5 dB

この増幅器シリーズの関連製品として、30-dB プログラマブル PIN ダイオード減衰器、およびスイッチの2つのカテゴリを用意している。これらは増幅器と組み合わせて用いられることが多い。PE70A3900 および PE70A3901の減衰器2製品は、それぞれ動作周波数 100 MHz ~ 18 GHz および 100 MHz ~ 40 GHz、ステップサイズ 1 dB、減衰確度は +/-2.5 dB、挿入損失はそれぞれ5 dB、 5 ~ 8 dB、入出力 VSWRは 2.5:1である。パスタナックは、減衰器をPCやタブレット端末で制御する、無料のWindowsソフトウェアを提供している。

表 1: ベンチトップ増幅器の仕様

SPDTスイッチは、PE71S3900 および PE71S3901 を用意しており、周波数範囲はそれぞれ 500 MHz ~ 18 および 40 GHz、挿入損失 3 ~ 5 dB、非常に優れたアイソレーション 60 dB 以上、切替スピードは 6 µs と高速だ。減衰器と同様、パスタナックは無料のWindows制御用ソフトウェアを提供しており、同社のウェブサイトからダウンロード可能だ。これらUSB製品はすべて -40°C ~ +85°Cで動作する。PE71S3900はSMAメスコネクタ、PE71S3901は2.92-mmコネクタ対応。パスタナックのすべての製品と同様に、ベンチトップ型およびUSB増幅器・減衰器・スイッチはすべて在庫し、注文即日に(米国を)出荷する。詳しい情報はウェブサイト参照。

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